ガラスと鏡のなかの小世界

実は

その正式名称はこれまでずっと分からないのだが

仮に「ガラスケース入り豆こけし」としておこう。

これである。↓

幅10cm~20cmのガラスと鏡で作られたケースに

豆こけしが箱庭(ジオラマ)風に配置されている。

昭和の時代

観光地のお土産品として人気があった。


前回記事のラストで

東京タワー入りのタイプをアップしたので

その続編と言うわけではないが今日はこれに焦点をあててみたいと思う。


ケースがガラスと鏡でできているので

背景に青色LEDライトを設置したらきれいじゃないか

と思ってやってみたら

乱反射していい感じに

インスタ映え

いやブログ映えした。

東京だけでなく

全国各地で売れ筋のお土産品として定番化していた。

もちろん最初はどこかの地域で売れ始めて

次第に全国に広まったのだろう。

昭和20年中盤~40年代ごろまでのことだと思われる。

背景画がすっきりと画かれ

銭湯絵を思わせるような味わいがある。

灯篭や橋、木々の小物もしっかりと演出効果を出していて

今で言うジオラマの原形といっていいのではないだろうか。


おばあちゃんや知り合いの家に行くと

どこの家にもお土産品を飾ってる棚があって

必ずこの「ガラスケース入り豆こけし」がいくつかあった。

ガラスの中に小世界があって

特に見入ってしまった。

豆こけし以外にも

和服の見返り美人を配したり

動物など生き物を配したものもあった。

このケースは上下2段になっていて

海中(底)も表現している。

ひょうきんな蛸やイカ、鶴?もガラス細工だ。

お祭りの夜店では単品で売っていたものと同じだ。

職人技ですな。


こういったコミカルな演出がされると

購買層も底辺まで広がるだろう。

私自身も小学校の修学旅行みやげとして

たしかに買った記憶がある。

透明ガラスの鹿入り

これは女の子受けを狙ったかもだ。


「ガラスケース入り豆こけし」の魅力は

木でできたかわいい小さなこけしと

シャープなガラスと鏡の組み合わせ。

柔と剛  

天然と人工

相対する素材の絶妙な組み合わせと言える。


子供の頃

母親の三面鏡で合せ鏡をして

映像の無限連鎖を楽しんだものだが

元来、ガラスと鏡の取り合せは

見方によって魔法のような効果を生み出す。


そんな魔法のようなケースの中で

こけしたちが

ずっときらやかに

輝いている。





0コメント

  • 1000 / 1000